山梨ヒッチハイク

送迎食事つきの無料宿

優しいご夫婦との出会い

大月駅前でワンボックスカーの女性と別れた頃には、すでに辺りは薄暗くなり始めていました。 大月で野宿することも考えましたが、最後にもう1台だけヒッチハイクすることにしました。 目的地は「甲府」。そして、 甲州街道でヒッチハイクを再開してわずか5分後、1台の乗用車が止まりました。

帰宅途中の小学校の女性教諭

乗せてくれたのは、甲府よりも先の甲斐市へ帰宅途中の小学校の女性教諭でした。 年齢は50代といったところで、ちょうど私たちの母親世代でした。 「ヒッチハイクだなんてハリウッド映画みたいだわね〜」と言いながら、うふふと微笑む姿が可愛らしく感じられました。 のんびりのほほんとしていて優しいオーラが全開に出ている人でした。

途中、「ああそうだ〜ガソリンの入れ方を教えてほしいのよ〜」ということで、セルフのガソリンスタンドで給油方法を伝授させていただきました。 それが私たちにすることができた唯一の小さなお返しでした。 その後は中央高速に乗って一気に双葉SAに向かいました。 大月から勝沼へ抜けたときに見えた甲府盆地の夜景が印象に残っています。

車中では、小学校の先生の楽しさを語ってくれました。 障害児学級を受け持っているというその女性は、「みんなかわいいのよ〜」とニコニコ笑いながら教えてくれました。

まさかの宿ゲット

「今日はどこに泊まるんですか?」と聞かれたので、「テントを持ってきているので、どこかで野宿します」と答えると、 「じゃあうちに泊まっていったらどうですか?」と誘ってくださいました。 「えええ〜〜〜そんな悪いですよ」と返したものの、「ぜひどうぞどうぞ」とおっしゃってくださったので、お言葉に甘えて泊めさせていただくことにしました。

どこの馬の骨かもわからない私たちを車に乗せてくれただけでなく、家に泊めてまでくれるだなんて、この人は神様か?仏様か?と思ったものです。 しかも、途中でお好み焼きまでご馳走してくださいました。 家に着いてからは、お風呂にも入らさせていただき、洗濯までしていただきました。 本当に至れりつくせりです。

そんな折、その女性が旦那様を迎えに行くということで、私たちを家に残したまま出て行ってしまいました。 つい先ほど出会ったばかりのヒッチハイカーを自宅に残して出ていくということに驚きながらも、まだ見ぬ旦那様に対して思いを張り巡らせていました。 旦那様の留守中に勝手に家に上がり込んで、しかも食事や入浴まで済ませて・・・。 その女性(以下、奥様)は旦那様に私たちを泊めることを事前に伝えている様子はなかったので、「もしかすると追い出されるんじゃないか・・・」と怯えていたのです。

この奥様あっての旦那様

そして、帰宅された旦那様は開口一番、「ようこそいらっしゃい〜、ヒッチハイクだなんてすごいねえ〜」と。 不安が杞憂に終わった安堵感も重なり、旦那様の優しさに対して心から感動し感謝しました。 この奥様あっての旦那様だなと納得したものです。

その後は、夜遅くまでお酒をご馳走になりました。 私たちと年齢の変わらないお子さんが2人いるものの、すでに実家には住んでいないらしく、現在は二人暮らしとのことでした。 大好きなラーメンのことや仕事のことなどさまざまな話で盛り上がり、夜は更けていきました。

翌朝は先に旦那様を見送った後、奥様の車で下りの双葉SAの脇(一般道)まで送っていただきました。


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