ヒッチハイクの面白さ

ヒッチハイクの面白さ

一期一会

ヒッチハイク旅行の話で、「ヒッチハイクのどこが面白いの?」という質問をよくされます。

答えを一言でいえば、普段接する機会のない人たちとの出会いです。 平凡な大学生の自分にとって、会社経営者、ヤンキー風少年、トラックドライバー、専業主婦などと話す機会は普段はありません。 そういった人たちと話すのはとてもいい刺激になります。

ただし、ヒッチハイクは面白いだけでなく、それなりに辛い側面もあります。 最初のうちはコツがつかめずに彷徨い歩き、通り過ぎる車や通行人からの奇異な視線も気になりました。 しかし、慣れるにつれてどこでヒッチハイクすればよいかもわかるようになりましたし、通行人からの視線も逆に気持ちよくなるほどでした。 慣れてくると、注目を浴びる恥ずかしさが快感に変わるのです。

通り過ぎていく運転手さんの中には、「無理無理ごめんね」という感じで顔の前で手を振るジェスチャーを笑顔でしてくれる人もいます。 乗せてはくれなくても、お互いにジェスチャーでコミュニケーションをとれたことに、なんだか心地よさを覚えます。 一番辛いのは、完全に無表情でこちらを見ずに通り過ぎていく車がいるときです。

車が止まってくれた瞬間の喜びはとても大きなものです。 まるでサッカーのシュートを決めたときのような、競馬の馬券が的中したときのような、合格発表の掲示板に自分の受験番号を見つけたときのような(さすがに大げさか)嬉しさがあります。


ヒッチハイクで得られたもの

路上でのヒッチハイクで素通りされ続けたり、インターチェンジでのヒッチハイクで危ない人を見る目つきで乱暴にドアを閉められたりしたことで、 メンタルが鍛えられました。 まるで飛び込みの営業マンのようです。

また、初対面の人との社交力が上がります。 車内で会話がとぎれないように、さまざまな話をしました。 ヒッチハイクの回数を重ねるたびに、話が盛り上がるようになっていきました。

最後にひとつ、ヒッチハイク旅行後に、同行した友人が「一皮むけた気がする」と言っていたのが強く印象に残っています。 これには私もすごく同意しました。 ヒッチハイク後は、それ以前に比べて行動力が上がったような気がします。